2009年02月26日
関雪忌
本日、2月26日は関雪の命日にあたります。
毎年滋賀県大津、大谷にある走井で関雪忌が行われますので、橋本家一同参りました。
この走井は、白沙村荘と同時期に関雪が入手した別邸で、元は走井茶屋という東海道でも有名であった茶店がありました。
それが売りに出され、画号の由来である逢坂であることから関雪が欲したのでした。
昭和39年に嵯峨天龍寺慈濟院から、村上獨潭老師を迎えて開山し「瑞米山月心寺」として関雪夫妻の菩提寺になりました。
ちなみにこの月心寺は一般参観をしておりませんので、ご注意下さい。
2009年02月25日
白沙村荘無料公開
明日、2月26日は関雪忌と致しまして白沙村荘の庭園を無料公開致します。
開館時間は11時から15時まで。
一年一度の無料公開となります。
まだお越しになったことのない方は、この機会に一度いらして下さい。
白沙村人敬白
開館時間は11時から15時まで。
一年一度の無料公開となります。
まだお越しになったことのない方は、この機会に一度いらして下さい。
白沙村人敬白
2009年02月25日
関雪の映像記録
白沙村荘に、たくさんのフィルムが遺されています。
関雪が活躍していた時代は、大正から昭和にかけて。
もちろんモノクロフィルムであり、ト−キ−ではありません。
しかしそのうちのわずか数本は、日本において民間人が撮影した最古のカラーフィルムとして価値が認められています。
内容は様々で、製作の様子や外遊の風景。そして当時の白沙村荘と橋本家の面々など。
大変に貴重な資料として遺されています。
しかし現代においては、16mmのフィルムはあまり効率的ではないので、デジタルベ−スのメディアに写そうかと考えました。
デジタルメディアにしておけば、閲覧や確認による劣化も最小限に抑えながら有効活用できますから。
今から楽しみな作業であります。
2009年02月24日
猿曳図復元
43年前に火災で焼失した大徳寺・衣鉢の間に描かれた障壁画「猿曳図」がこの度復元されたとのこと。
「猿曳図」は狩野探幽によるもので、重要文化財にも指定されている。
関雪自体とこの画は密接な関係はないのだけど、関雪もよく猿を描き、その中には同じ猿まわしの画もあるので取り上げてみた。
猿まわしの画は、迫力こそ無いものの古典中の好画題と思う。
観るものが、まるで画中の群集と共に猿まわしを観覧しているかのような上手い構図取りで目を惹かれるのである。
障壁画のように大きなものならなおさら。猿が上手くアイキャッチの役割を果たしている。
何かと暗い話題が多い現代。だからこそ、和やかな猿まわしの画は人々には必要だと思うのだ。
関雪の描く猿まわしも、昭和に入ってからの物が多い。
その頃も同じように、暗い話題が尽きぬ時代であったのかもしれない。
2009年02月23日
遺された顔料
日本画では、膠に溶いた顔料を用いて絵を描きます。
膠は、動物の皮や魚などを煮て作る固着剤で現在でいうゼラチンです。
しばしば「水彩ですか?」と聞かれますがそれもあながち間違いではなく、厚塗りを嫌う関雪の場合にはそう見えやすい作品も多く見られます。
この膠に煤を入れると墨になるわけですが、黒色は煤だけではなく炭化した骨や、黒色の化合物や黒土なども使います。
白は蛤の殻を焼成した胡粉が有名ですが、蠣殻や石英なども白色として使います。
いわゆる岩絵の具以外にも、たくさんの自然由来顔料や化合物顔料などがあり、膨大な種類の色が使われていたようです。
先日、東京学芸大学の調査があり分散して置かれていた顔料を一箇所に集めたのですが、集めると色ごとに並べたくなるのが人情でして。
そしてずらりと並ぶ顔料を喜ぶ来館者が多いので、仕舞いづらくなってます。
来週の展示替えで仕舞わざるを得ないのですが、少し残念な気もします。
どこかに並べておくことが出来れば良いのですが。
2009年02月22日
リニューアル
年末からセッセとかかっていた白沙村荘の公式Webのリニューアル作業が一段落しました。
簡単な仕様ではありますが、一人で合間を見てやっていると中々進まないものです。
もう一つ、外部でお願いされているヤツも停滞していますから、早くしないと・・・。
以前から指摘されていたややこしいリンク張りや、ページジャンプについて改良をしました。
そしてイメージを持ちやすいように写真情報を増やしてみました。
写真を増やすことについては、某ポータルサイト運営や某雑誌社が好き勝手に落として勝手に掲載するという事が頻発していたので二の足を踏んでいましたが、そろそろネットモラリティも板についたであろうという見込みで増やしました。
どうか、宜しくお願い致します。
よろしければ覗いてみて下さい。問題点などを発見された方はこちらまで御一報下されば幸いです。
<白沙村荘 橋本関雪記念館 on the Web>
こちら
2009年02月17日
京博連幹事会
本日は京博連の幹事会。
京博連とは、京都市が主導する京都の博物館連絡会議です。
博物館と一口に言いましても、扱う範囲も美術博物館や歴史博物館。自然科学や動植物など。
一般的に言う美術館は、美術博物館に位置しています。
現在幹事長を細見美術館の細見館長が務めておられ、私は昨年から幹事の一人として参加しています。
会議の色々な館が紹介されますが、これがまた面白い。
今日は、佛教大学の資料館と佐川印刷の京都清宗根付館。そして市役所近くにある當道会が紹介されていましたが、余談で精華大学近くにある研究所の話も出ていました。
実に勉強になりました。
若く不勉強な身としては、博識な皆さんの会話を聞くだけでモチベーションを高く持とうという意識が出ますから、自然勉強させて頂いています。
他に同年代がいないので少し寂しくもありますが、これも勉強。
張り切って務めたいと思います。
2009年02月13日
中からの視点
庭を歩くたびに気に病むことがあります。
それは苔の荒廃。
以前は来館者もまばらであり、なおかつ庭というものを知る知識人層がメインであったので守られていた苔が、見る間になくなっているのです。
「そこは踏まないでくださいね」
と時折注意をしますが、残念ながら聞いて貰えることは少ないです。
そこで色々と考えます。
庭を歩かせない方が良いのか。庭を休ませる時期を作ろうか。
極論として言えば、庭には下ろさずに建物内から見るようにするのが一番ベターなのですが。
いつも中から庭を見ている立場から言えば、むしろ中からの方が絵画的に視点が構成されるので、不慣れな方にも見やすいかもしれません。
いわゆる額縁の窓ってヤツですね。
さて、どちらの方法が良いのか。考えは巡り尽きません。
それは苔の荒廃。
以前は来館者もまばらであり、なおかつ庭というものを知る知識人層がメインであったので守られていた苔が、見る間になくなっているのです。
「そこは踏まないでくださいね」
と時折注意をしますが、残念ながら聞いて貰えることは少ないです。
そこで色々と考えます。
庭を歩かせない方が良いのか。庭を休ませる時期を作ろうか。
極論として言えば、庭には下ろさずに建物内から見るようにするのが一番ベターなのですが。
いつも中から庭を見ている立場から言えば、むしろ中からの方が絵画的に視点が構成されるので、不慣れな方にも見やすいかもしれません。
いわゆる額縁の窓ってヤツですね。
さて、どちらの方法が良いのか。考えは巡り尽きません。
2009年02月12日
池について
気温が低く、晴れた日には池の水が澄み、辺りの景色を映して非常に美しい光景となります。
以前は流れが悪く、花粉の時期や落葉により黄色く濁り果てていた時期もありました。
その度に池に入り、水面に浮く油膜を除去しては水を流していました。
水の交換という概念は、小学生の理科並のものではありますが、中々理解はしてもらえないものです。
EMやエアーレ−ションなどは、まず水の交換率が回復してから。
でないと、焼け石に水ですから。
最近は庭園や文化財に目をつけた悪質な業者も増えてきています。
彼らの囀る魔法みたいな言葉には用心が必要です。
機械や細菌、薬剤無しでも努力次第でこんなに綺麗になりますから。
以前は流れが悪く、花粉の時期や落葉により黄色く濁り果てていた時期もありました。
その度に池に入り、水面に浮く油膜を除去しては水を流していました。
水の交換という概念は、小学生の理科並のものではありますが、中々理解はしてもらえないものです。
EMやエアーレ−ションなどは、まず水の交換率が回復してから。
でないと、焼け石に水ですから。
最近は庭園や文化財に目をつけた悪質な業者も増えてきています。
彼らの囀る魔法みたいな言葉には用心が必要です。
機械や細菌、薬剤無しでも努力次第でこんなに綺麗になりますから。
2009年02月06日
佗助に目白
入り口近くの佗助が今年は早く咲いたので、遊びに来た目白がなんだか寂しそうです。
目白は多分、佗助の蜜を吸いに来ているのですが花が早くに散ってしまい、数が少ないのです。
節分が過ぎてようやく陽射しが暖かくなり始めたのに、ご飯が乏しいとは鳥達も難儀な話です。
しかし人間と言えど立場は似たようなもの。
冷たい世界不況の風が、早く通り過ぎるのを待ち続けている身ですから。
目白は多分、佗助の蜜を吸いに来ているのですが花が早くに散ってしまい、数が少ないのです。
節分が過ぎてようやく陽射しが暖かくなり始めたのに、ご飯が乏しいとは鳥達も難儀な話です。
しかし人間と言えど立場は似たようなもの。
冷たい世界不況の風が、早く通り過ぎるのを待ち続けている身ですから。
2009年02月05日
毎日放送 美の京都遺産再放送
毎日放送さんが制作している「美の京都遺産」という番組があります。
京都に遺る、文化遺産を映像として記録し後生に伝える趣旨の15分番組ですが、ここしばらくの撮影では一番記憶に残った良い番組です。
カメラさん良し、ディレクターさん良し、出来上がり良しなんてのはもしかしたらこれ以降無いかも知れません。
それぐらい素晴らしいスタッフでした。
都合6回以上の撮影がなされ、明け方や降雪。そして満開の桜までもが網羅され、画面内に白沙村荘と関雪の世界を見事に再構築しています。
この時私は、着物を着て偽関雪を演じたりしていますが、途中で高熱を出しながらインタビューを撮影し、撮影終了後の数日間床に臥せりました。
なのでより記憶に残っているのかも知れませんね。
その「美の京都遺産」の白沙村荘を紹介した回が、2月22日に再放送されるみたいです。
朝の早い時間にしか流れないので、録画するのがオススメです。
(確か5:45から6:00までの放映でした。再放送だから変更されているかも知れません。)
よろしければ、私演じる偽関雪を御笑覧下さい。
京都に遺る、文化遺産を映像として記録し後生に伝える趣旨の15分番組ですが、ここしばらくの撮影では一番記憶に残った良い番組です。
カメラさん良し、ディレクターさん良し、出来上がり良しなんてのはもしかしたらこれ以降無いかも知れません。
それぐらい素晴らしいスタッフでした。
都合6回以上の撮影がなされ、明け方や降雪。そして満開の桜までもが網羅され、画面内に白沙村荘と関雪の世界を見事に再構築しています。
この時私は、着物を着て偽関雪を演じたりしていますが、途中で高熱を出しながらインタビューを撮影し、撮影終了後の数日間床に臥せりました。
なのでより記憶に残っているのかも知れませんね。
その「美の京都遺産」の白沙村荘を紹介した回が、2月22日に再放送されるみたいです。
朝の早い時間にしか流れないので、録画するのがオススメです。
(確か5:45から6:00までの放映でした。再放送だから変更されているかも知れません。)
よろしければ、私演じる偽関雪を御笑覧下さい。