京つう

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2009年08月25日

作品に対する倫理

関雪の作品を見て欲しいという要望が時折あります。


もちろん立場上それを断る理由はなく、鑑定を引き受けて作品の説明と鑑定書を付けてお返しするわけです。



直系の人間にとっての鑑定作業というものは、実に難しいものでプレッシャーと闘いながら判断していきます。




そうして真筆と判定された作品が、持ち主の元へ帰る時にその詳細と謝辞を申しあげる時の安堵感には説明しがたいものがあります。


依頼者に対して申しあげる謝辞も、「大事に持っていて下さってありがとう、できればこれからも大切になさって下さい」というものです。




鑑定とは、そのようにして行います。




しかし残念ながら、そのように鑑定を行う人ばかりではないのが現実。


印だけ合わせて「ハイ、合格〜」なんてやる鑑定所や、そもそも鑑定していないのに「真筆証明書」を付けるモグリのバイヤーも居ます。



根拠や詳細を依頼者に知らせない鑑定に、何の意味があるのか。

そうして市場に流れ、顧客が買い求めた作品に対して録な説明もできずにいる美術商達が量産されます。


困った彼等は、白沙村荘に電話をして「とりあえず教えて欲しい」と言います。


しかしですよ。いやしくも美術を扱うのならば、その辺りを顧客が尋ねるまで放置するのはいかがでしょうか。



そういう作品には大体東京の鑑定が付いています。

筋としてそちらに聞くのが正しいハズなのですが、何故だかこちらに来るわけです。



まさか鑑定書を渡す際に、何も説明がない・・わけはないですよね。


有り得ない、有り得ない。




とりあえずは「何が描かれているか知りたい」なんていう質問が減ることを祈ります。


一人でやってますから、このままでは身がもちません。


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Posted by ハシモトシンジ at 16:42│Comments(0)【橋本関雪】
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