2011年09月28日
独学で写真のような動物を描く女性画家
カリフォルニアに住むCristina Penescuさんが描く動物画が非常に話題となっています。
その話題の根源は「超写実的な描写」と「独学で技法を習得した事」。
画像を見るかぎりでは確かに写真みたいに見えます。毛も良い感じで描写されてますし。
鳥類なんかも書いているみたいです。確かに凄い技術です。
関雪も動物の描写が凄い画家なのですが、また系統の違う物ですから比較はできませんが。
しかし絵画の宿命である「写実的であればあるほど、写真でない理由は?」という問いかけが鎌首をもたげるわけです。
カメラ・オブスクーラが齎した新たな技術の発生から、絵画は絵画である存在理由そして存在価値を問われ続けているのです。
リアルであればあるほど。実物のように見えれば見えるほど・・逆に描かれなかった瑣末なディティールにおいて、写真との差が歴然と分かれてくるのです。逆に言えば「描かないこと」が絵画の特徴とも言えるのです。ディフォルメを自由に行う事で独自の世界を作り上げることが可能となるのです。
写真は世界をありのままに切り取る道具。
絵画は裡にある精神を描き出す技術。
こう考えれば、別段絵画が写真を意識する必要も写真のようである理由もないのですけどね。
絵は絵。写真は写真。それぞれにバランスよく発展すればそれで良いのではないでしょうか。