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2013年09月01日

明石、そして宝塚の別邸達



数日前に兵庫県立美術館での橋本関雪展に向け、宝塚の冬花庵と明石の蟹紅鱸白荘(現在の名称は白沙荘と言います)を訪れました。

父や他の家族たちは一度ならず訪れていたこの別邸ですが、私は白沙村荘に戻ってきたのがちょうど父の病状が一番思わしくない時期だったので中国やヨーロッパなどの来訪を優先していたため遂に一緒に訪れることはありませんでした。一度加古川にて橋本関雪展が行われた際にも行くかどうかという話がありましたが、開催の皆様の手篤い歓迎があったので時間的に無理だなと諦めたのでした。


あれはちょうど阪神淡路大震災が起こった直後でしたので、両方の別邸がどうなったのかとしばしば父と話題に出しては心配しながらも行くに行けず、とうとう父が亡くなってからは白沙村荘を離れるに離れられずという状況の中で13年も経っていました。こういった家では当主の逝去は重大事であり、特に長期の病気などが重なったので様々な経済的・社会的な負担が起こりました。


そして今年に入り、兵庫県立美術館で橋本関雪展が開催されることになりました。実は内心、2013年には兵庫県下で出来れば神戸で橋本関雪の展覧会を開きたいと考えていたのでこれは非常に願ったりかなったりの出来事でした。嬉しさのあまりすぐに仏壇に向かい、父や祖父に報告をしてそれからは準備を着々と進めて行きました。
ちょうど昨年くらいからずっと続いていた相続の難事なども収まり、大津の別邸である月心寺の交代の件が持ち上がっていたとはいえ以前よりもずっと身動きが取れるようになっていたので4年前の巡回展の時よりはスムーズに仕事が出来たようにも思います。




そこでフトそれぞれの別邸達の事を思い出し、展覧会前に現地入りしておきたいという気持ちがあったので連絡を取り向かうことにしました。

明石の東二見、「蟹紅鱸白荘(カイコウロハクソウ)」は現在「白沙荘(ハクサソウ)」と呼称を変えてはいますが震災の後も修復が行われ非常に健全な状態で遺っていました。
白沙村荘に存古楼(ゾンコロウ)が出来上がるまでの期間の出品作などは、この別邸の画室で描かれていたので今も画室らしき面影のある広間が残っていて感激しました。
もちろん建具の材などもできるだけ当時のままにという配慮で、おそらくは末松棟梁の手による建具の細工が見事に残されていました。

もう一つ、宝塚の冬花庵(トウカアン)は震災の被害が非常に大きかったようです。当時瓦解していたと伝えられていた外の長塀は綺麗に修復されていましたが、内部の建物や石造美術などは崩れたり転倒している状態のものが多く見られました。しかしながら、建物についてもその状態でも取り壊しをせずに残しておかれた配慮があったので、以前の状態や周辺の環境などはパッと想像することが容易に出来たのは幸いです。関雪の美意識を識れば、彼がどこに何を置くであろうか、建物の周辺に配するものは何であろうか何処であろうかというのはすぐわかります。

三重の塔が倒壊せずに立派に聳え立っていて、これもまた嬉しい限りです。いずれ何か協力できることがあれば同じようにとは行きませんがかつてのように復元をしたい気持ちでいっぱいです。


どちらの別邸も現在の所有者の方達が、想いを持って保存されているので非常に安心をしました。
京都の白沙村荘、大津の月心寺、そして明石の蟹紅鱸白荘、宝塚の冬花庵。これらの関雪所縁の邸宅が今後も長く残ることを切に願います。


※これらの邸宅は両方共一般公開や見学などは現状受け入れておらず、従って問い合わせや要望は出来るだけ控えて頂きたいと思います。



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