京つう

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2011年08月09日

今年の送り火と岩手のマツ

もうすぐ京都の山々に火が灯る「送り火」の日が来て、またぞろ市中はさぞかし賑わうのだろうかと思います。白沙村荘の前にも右大文字があり、毎日のように見ているので頭から大文字が消えることはあまりありません。それくらい存在感が大きい。


「アレ、大文字焼きの山ですよね」という人に、逐一「大文字焼きという行事も各地にあるのですが、京都では送り火と申しておりまして」と説明をするのですが結局は「へぇ、そうなんだ」という反応よりは「京都人は云々」となりやすいのがチョット嫌な点。

世間にある京都アレルギーみたいなものは以前から感じていましたが、正式な固有名称のあるものを紹介して「京都では”大文字焼き”と言われることを嫌がる」とか言われるのは異常かと思います。京都ではも何も、固有の名称なんですから。




大体そういう場合は「迎え火」の存在を知らない人達が「送り火」で無くても良いじゃないかと考えているのが多いのです。迎えるから、また送る。非常に明快な上にお盆の行事としては一般的な構造じゃないでしょうか。

もうすぐ銀閣寺前の参道では、各戸の門前で麻殻を焚いて祖霊やお精霊さんを呼び入れます。
お盆の時期というのは常世と現世の境界が俄に混じり合い、実に死者がそこに暮らすかのような存在感を以て現れ始めます。そして今度は山頂で火を焚き、山に集まった霊たちを天に送ります。これが「迎え火」と「送り火」のおおまかな流れ。もっと色々細かい内容はあるんですけどね。





その送り火の現場で今年は問題が起きているようで、岩手の被災地のマツを火床に使うか否かで非常に揉めたようです。理由は放射能不安。一応の検査ではセシウムは検出されていないとのことですが、最終的な問題はやはり送り火が宗教的行事であるということなんでしょう。

細かな点は当事者ではないので判断しかねますが、岩手の方たちの心情も理解できますし京都の送り火に携わる人々の心情もよく解ります。



今回の件は何が一番問題であったのかとか、そういう話は本当に当事者同士しか話せない事でもありますし、部外者があまり口を挟む問題ではないのでしょう。しかし送り火のことですから、ご先祖様が深く溜息をつかれるような事はないようにしたいものです。










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Posted by ハシモトシンジ at 05:32│Comments(0)【勤務日誌】
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