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2009年09月14日

失意 1909 (橋本関雪展より)





第3回文展に出品された作品。


画題は杜甫の「江南逢李亀年」から。

岐王宅裡尋常見
崔九堂前幾度聞
正是江南好時節
落花時節又逢君


かつて玄宗と楊貴妃の寵愛を受け、唐の都市でトップスターとして活躍していた李亀年。

かたや役人として、その序列の端に居た杜甫。

杜甫が没する前年。江南の地で二人はまた巡りあいます。


杜甫にとって李亀年は、唐が最も輝いた時期の象徴であったのかもしれません。



【コメント】
初期の関雪の作品に関して共通するのは「暗さ」です。

なにやらイジけたような雰囲気すらある画題と画面が、20代の頃の作品に漂います。


これは正に当時の関雪自身の境遇を示すもので、正にイジけていたわけです。




関雪がこの状況から抜け出すには、あと五年近くの時間がかかります。

すみません、失意は京都では展示されないのを失念していました。

誠に申し訳ございません。

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Posted by ハシモトシンジ at 22:09│Comments(1)【橋本関雪】
この記事へのコメント
杜甫 偉大なる憂鬱 (宇野直人・江原正士 平凡社 2009)
の表紙がこの絵でした。杜甫の人生と詩が歴史的な事件に影響されて来た様子を興味深く解説してとても面白い本でしたので、「失意」も是非見たかったのですが、なかなか展示されない作品なのでしょうか。ちょっと出遅れてしまいました。諦めずに機会を待ちます。
あとがきによると、この絵もなかなか平坦ではない道をたどったようですね。
Posted by 遠目なまず at 2009年09月28日 21:08
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