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Posted by 京つう運営事務局 at

2011年05月16日

パクリの概念

「この猿は長谷川等伯のパクリだね」とある人が言った。

パクリといえばそうなのかも知れないけど、一応描かれた背景に古典の復興というものがあるのだから比較するべき本歌を出してこないと話にならない。関雪の場合はそれが長谷川等伯であり、浦上玉堂でありそして石濤や張瑞図であるという事なんだ。


現在では長谷川等伯や伊藤若冲、曾我蕭白なども不動の評価を得ているのだけど、当時はどうであったのか? もちろん不当に評価が低いわけではなくても、新時代を迎えてまず若者が行うのは旧時代の価値観の破壊。

ならば明治以降にも当然、そういった事は行われ続けていたはず。



その状況があるからこそ、そんなに遠くない江戸時代の古典を関雪は四条派の技法でリメイクし、そしてそれは成功を収めたと思う。関雪の「玄猿」を見るにあたり、長谷川等伯は外せない比較材料となった。他にもそういった形での古典の再評価に繋がる焼き直しを関雪は数多く行っている。



しかし、それは「パクリ」の一言で終わらされてしまうのか。
時代背景を考えれば正当な行為であって、オマージュだろうとは思うのだけれど・・そう考える人も多いのでしょう。多分ね。



  


Posted by ハシモトシンジ at 17:33Comments(0)【勤務日誌】