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Posted by 京つう運営事務局 at

2009年03月14日

橋本関雪展より 「防空壕」




晩年に関雪は、朝日新聞の嘱託により吉川英治と共に南方の戦地を巡りました。
吉川英治自身も、まだ若き記者であり美術記者として随行していたのですが、関雪番となった記者は後に大成することが多いようにも思います。かの井上靖も同様に関雪番の美術記者をしていました。



その南方所見は、朝日新聞にて連載をされ後に「南を翔ける」という本としてまとめられました。時期的には国民に対するプロパガンダとして、人気画家であった関雪が引っ張り出された形のものではありますが、本人は自己の美術品蒐集の為にアジア諸国を巡りたかったようなフシがあります。



そこでスケッチを得た中から生み出されたのが、この「防空壕(昭和17(1942)年)」という作品です。

この時期に関雪は洋画家のポール・ゴーギャン(ゴォガン)に非常なる憧憬を抱き、傾倒しそして日本画を捨ててしまおうかと実際に考えていたと伝えられています。
むろん立場的にそれは難しく、また西洋の語学に関してはそこまで堪能でなかった関雪が、タヒチに移り住み画を描きながら暮らすことは実現不可能な夢でありましたから、類似的な体験としての南方旅行を以てひとまずは満足したのではないでしょうか。


画面からはゴーギャン”風”を意識したと思しき色調と描写が若干見て取ることも出来ます。

南方を巡った年に、この作品は発表され以後の関雪作品は洋画を強く意識した描写を見せるように転換されていきます。


【橋本関雪展】姫路市立美術館
平成21年4月25日から6月7日まで開催です。


  

Posted by ハシモトシンジ at 14:07Comments(0)